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 日本大学通信教育部・経済学部・経済学科 
職業指導    

 

 

科目コード:0988

教職課程教科
専門教育科目

更新日 : 2007/09/16

 提出したリポート、頂いた講評、科目修得試験に出題されそうなポイントなどを掲載してあります。

 


 おことわり
☆ 特に断りがない報告課題は、「平成17・18年度報告課題」(有効期限2005年3月1日〜2007年3月31日)です。
☆ 「科目修得試験に出題されそうなポイント」は、あくまで森野個人が学習する際に分析したものです。
☆ 内容についてのお尋ねはご遠慮下さい。
  1. リポート分冊1
  2. リポート分冊2
  3. 科目修得試験に出題されそうなポイント
  4.  
 
リポート分冊1

課題  学校進路指導の意義・目的、その必要性およびその指導(活動)内容につ
    いて論じなさい。

 学校進路指導の意義には、教育(個人)的意義と社会的意義の2つがある。

 教育的意義には、進路指導により生徒が広く社会性を身につけ、社会的適応力を高めるという生き方の自覚、実生活に関する知識・情報や勤労体験的な学習から獲得される仕事・職業への現実感、自己決定の能力という3つの効果がある。

 社会的意義は、進路指導の本質的機能、すなわち教育と実生活の「接続」と社会的な「発展」、付随的機能としての「安定」した社会的状況と人材の「配分」という4つに整理することができる。

 学校進路指導の目的には次の3つがある。 @進路に関する知識・理解、人生観・職業感、探索経験・勤労体験などを統合し、進路選択が自己の生き方にどのような意味や価値を持つのかの考察、さらには具体的な体験を通じた進路に関する選択や計画の吟味を通じて、職業人としての調和的な生き方の指導や人間形成をめざす。

 A個々の生徒の発達段階に応じ、生徒が個別的・集団的に発達課題に取り組み、その課題を達成することによって、暫定的な進路探索の時期を経て進路希望の明確化へと至るキャリア発達を援助し、自己とキャリアとの関連性の成熟を深めることをめざす。

 B生徒の現在および将来の生活の中での自己充実・自己実現に必要な能力・態度を、学校生活における目標・計画設定、達成のための努力などを通じて、伸ばすことをめざす。   学校における進路指導は、学校教育の理念や目標を達成する基本的活動と同様に、教育課程の内外にわたってきわめて具体的・実際的な活動として実践される必要がある。

 憲法や職業安定法を受けて、学校教育法では中学校教育の目標として「社会に必要な基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと」、高等学校の目標としては「社会において果たせねばならない使命の自覚に基づき、個性に応じて将来の進路を決定させ、一般的な教養を高め、専門的な技能に習熟させること」と規定されている。

 このように、中学校および高等学校の教育目標の1つに進路指導の必要性があげられ、その実践が学校教育の目標の達成に深く関与しているのである。

 学校における進路指導の活動(指導)を大別すると、個人理解、進路情報、進路相談、啓発的経験、進路先決定への指導・援助、追指導の6つをあげることができる。

 個人理解とは、教師が個々の生徒を理解する生徒理解と、生徒自らが自己を理解する自己理解の2つに分けられる。教師は個々の生徒に関する個人資料を計画的に収集・整備して、1人ひとりの生徒の特性を全人的に把握して、それに即した指導を行い、教師の適切な指導・援助によって生徒自らも自己を総合的に理解し、自分にとって最も望ましい進路を選択するよう努める活動である。

 進路情報とは、進路に関する知識・情報を収集・提供して生徒の進路の世界についての現実認識を深める教師の活動と、生徒自ら情報の選択・判断能力を高め、適切な進路選択に役立てる活動である。生徒の意識・関心・欲求に即して、教師が意図的・計画的に情報を収集・整備・提供するとともに、生徒が個別的・集団的に、主体的な情報の研究・調査などに当たるような指導援助を行うことや、生徒自らのキャリア発達課題と進路計画に即した必要な情報を収集、活用する能力や判断力を身につけさせることが必要である。

 進路相談とは、教育相談のうち、とくに生徒の進路に関する相談をいう。進路相談は進路指導の中核的活動であり、生徒のキャリア発達課題を達成させることが求められる。それとともに自己実現への自己指導能力の発達を促すことをねらいにしている。その結果として生徒にとって最もふさわしい進路が選択されていくことをめざしている。

 啓発的経験とは、日常生活の中での経験・体験を通じて、自己と進路との関係性についての意識化・明確化・態度化に役立つ諸経験を総称したものである。学校での各教科・科目の学習や特別活動への取り組み、学校行事への参加、見学や実習体験、家庭での勤労体験、地域社会での奉仕活動などがある。

 進路決定の指導・援助とは、卒業時において教師が生徒に対して就職や進学に関する直接的な指導・援助を行う活動と、生徒が自己の責任と意志とにおいて進路先を決定し、教師の指導・助言によって必要な手続きや準備を行う具体的・実際的な活動である。

 追指導とは、卒業者が卒業後の生活においてよりよく適応し自己実現できるように援助する活動である。あわせて、学校の進路指導の成否を確認し、改善点を見い出すことで、在校生の進路指導に還元される重要な意義を持つ活動でもある。

 

参考文献
『入門 進路指導・相談』 仙ア 武 福村出版

 

広告 入門進路指導・相談

 

講評

 参考文献にも目を通して考察を行い、学校進路指導の意義・目的、その指導(活動)内容としての個人理解〜追指導の6つの領域に関して、それぞれ内容をよく整理してまとめている。ただ、進路指導の必要性についても、最近のフリーター、ニートの増加等の背景にも言及して、論ずる必要がある。

リポート分冊2

課題 現在の学校進路指導の在り方に関わる問題(例、高校中途退学者の問題、
   就職者の早期離職者の増加、モラトリアム、フリーター、ニート等)に基づい
   て、学校進路指導の今後の方向・在り方について論じなさい。

 現在の学校進路指導の在り方にかかわる問題として、進路指導が進学・就職のための合格指導・斡旋活動だと考えられている傾向がまず挙げられる。

 学校進路指導の目的は、キャリア発達を促し、生徒が主体的に自らの進路を選択・計画し、その後の生活によりよく適合し、進路先において自己実現できるようにする能力を育成することである。しかし現在、基本的な進路選択能力の不備、無目的な進学や就職、進路先での不適応や自己実現未達成などが大きな問題となっている。

 高校中退者の問題として次の点を指摘できる。1970年代後半以降、我が国の高等学校進学率は90%以上となった。生徒・保護者のなかには進学を当然のことと考え、その意味を深く考えることなく高等学校に進む者も出てきた。その結果、入学後の目標が見つけられず学習意欲の欠如や中退といった不適応を起こすケースが生じることとなった。また、学校においても生徒のキャリア発達を促すような進路指導ではなく、受験対策的、つまり高等学校へ確実に進学させることを優先させた学業成績等による進路指導が中心となり、その結果進学先での不適応が生じやすくなっている。家庭においても、進学を自明の事と考え、進路選択に重要な生徒の自己概念形成や、進路目標の明確化に対し積極的に取り組めていない。就職者の早期離職者の増加やフリーター、ニート等の問題もこの延長線上にあると考えられる。

 本来、学校進路指導は中学校・高等学校卒業後、就職する生徒はもちろんのこと、進学する生徒であっても将来は確実に就職し職業生活を送る、という意識を持って行われなければならない。なぜなら大学等に進学し専門性を高めるということは、その後の職業生活等において自己実現を達成するための手段・方法の1つであって、入学することそれ自体が目的ではないからである。これが生徒の職業感・勤労観の育成が、就職指導及び進学指導においても重要な指導項目であるといわれるゆえんである。平成14年度から実施されている、現行の学習指導要領でもこの点は重視されている。

 例えば「総合的な学習の時間」が小・中・高の各学校段階において導入され「自己の生き方」を考えさせたり、中学校・高等学校では特別活動「学校行事」のうち「勤労生産・奉仕的行事」のなかで「職業や進路にかかわる啓発的な体験が得られるよう・・・」とされている。更に高等学校では「学校設定教科」として「産業社会と人間」を設けることができ、将来の生き方について考えさせ、勤労観・職業感を育成することなどが課題とされている。

 また現行の学習指導要領で特筆すべきは、初めて「ガイダンス機能の充実」が取り上げられたことである。ここでのガイダンスとは、生徒のよりよい適応や選択にかかわる、集団場面を中心とする指導・援助であり、生徒1人ひとりの可能性を最大限に発揮させようとするものである。

 これらを受けて、勤労体験や学校・職場見学など学校内外における啓発的経験の機会や場の設定が近年、積極的に各学校で取り組まれるようになってきた。しかし、これらはいずれもその準備・実施に多くの時間と労力がかかり、負担も大きいことから教員に敬遠されがちで学校間で取り組みに差が見られたり、また昨今のいわゆる「学力低下論」「ゆとり教育批判」の流れから、学校行事の縮小や「総合的な学習の時間」見直しが文部科学省当局からも出てくるなど、必ずしも定着したとは言い難い。

 また教員の問題では、教員間に進路指導能力や進路指導に対する認識に差があり、必ずしも本来の目的に沿った指導がなされていない場合が見られる。現在の、専任担当者がおらず、学級担任主体の「学級活動」や「ホームルーム活動」での目的の一つという進路指導の位置付けでは、学級担任の負担が大きく、結果的に卒業年次の一時的な指導や画一的な指導になりがちである。

 これらを踏まえた上で、今後の学校進路指導の方向や在り方としては、生徒の主体的進路選択能力を育成し、社会的・職業的自己実現のために最善の努力を傾ける人間を育成していく、教育としてのキャリアガイダンス、すなわち進路指導の教育化が求められる。  学校進路指導を、生徒のキャリア発達を促す教育活動として捉え直し、進路指導の指導目標を明確にして指導実践の結果を評価することが必要である。そのためにも生徒の発達段階に応じたキャリア発達課題の設定が求められる。また生涯キャリア発達という観点から、生徒に生涯を通じて学び続けることの必要性を認識させ、自発的な学習意欲を育めることも必要である。

 

参考文献
『入門 進路指導・相談』 仙ア 武 福村出版

 

広告 入門進路指導・相談

 

講評

 学校進路指導の現状と課題、フリーター、ニートの増加等から考えて今後進路指導をどのようにすべきかについて論じているが、いずれに関しても、参考文献とテキストに示されていることがほとんどである論述となっている。課題に例示されている問題のうち1〜2つをとり上げて、参考資料等にあたって具体的な論述を行う努力が望まれる。

科目修得試験に出題されそうなポイント

 


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