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日本大学通信教育部・経済学部・経済学科 |
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科目コード:0833 |
学科選択科目 |
更新日 : 2009/06/19 |
提出したリポート、頂いた講評、科目修得試験に出題されそうなポイントなどを掲載してあります。 |
おことわり |
☆ 特に断りがない報告課題は、「平成17・18年度報告課題」(有効期限2005年3月1日〜2007年3月31日)です。 |
☆ 「科目修得試験に出題されそうなポイント」は、あくまで森野個人が学習する際に分析したものです。 |
☆ 内容についてのお尋ねはご遠慮下さい。 |
課題 今日なお固定相場制度(たとえばドル・ペッグ制)を採用している国は、なぜそうしているのだろうか。
現在、固定相場制度はいわゆる新興国や発展途上国(エマージング諸国)を中心に採用されている。それに対し先進諸国のほとんどは、いわゆる変動相場制(為替フロート)を採用している。ではなぜこのような違いが生じているのであろうか。
経済成長のためには、資本と労働が必要である。エマージング諸国では国内産業が未発達のため、仮に労働力は豊富でも資本の蓄積が十分でない。エマージング諸国が自国の経済成長を果たすために大切なことは、国内産業の発展とそれに必要な、不足している資本を外国から導入することである。そのためには為替変動のリスクが出来るだけ少ない方がよい。つまり固定相場制度の方が望ましい訳である。 例えばペッグ制のように、自国の通貨を経済面や貿易面において結びつきの深い大国の通貨(多くの場合は米ドル)に連動(ペッグ)させると、為替相場の変動リスクが当然少なくなる。 つまりペッグ制を採用するメリットは、為替相場を自国に有利に安定させることで自国の輸出競争力を確保することができることである。また為替相場が安定していると、外国からの投資を呼び込むことも比較的容易になる。そのことでさらに経済成長を加速させようと考えているのである。 エマージング諸国は、また、経済的な基盤が弱くかつ不安定な場合が多い。これでは外国からの資本投資は望みにくい。 そこでカレンシーボード制を採用する国が出てくる。自国の通貨供給量(ハイパワードマネー)を米ドルやユーロ等の外貨準備高を上限とする。そうすることで、自国の通貨を主要国の通貨(これも多くの場合は米ドル)と一定の為替レートで無制限に交換することを金融当局が保証して、為替相場を固定し物価の安定を図ろうとするのである。 カレンシーボード制を採用するメリットは、拡張的金融政策を実行するときに外貨準備の制約が課されることによって、自国通貨の信認を確保出来ることである。これによって外国投資家の信認を得て投資を呼び込むこともできる。したがってハイパーインフレーションで経済の停滞を余儀なくされている発展途上国で採用される場合が多い。 しかし、次のような問題も生じてくる。 ペッグ制を採用した場合、為替相場維持のためには自国の金利政策もペッグした通貨の相手国に追随しなくてはならないのである。例えば、米ドルとペッグしている国では、仮に米国が利上げしたときには、たとえ自国の景気動向がどうであろうと(それによって本来採るべき金融政策にかかわらず)、米国に追随して利上げする必要が生じる。なぜならもし自国の金利を上げない場合、金利差によって資金が自国から米国に移動してしまい、大量の米ドル買い /自国通貨売りが発生して自国通貨が急落してしまう可能性がでてくるからである。また外国からの投資の流入は、必然的にインフレの要因となる。インフレは通貨の価値を引き下げ(自国通貨安)を引き起こすが、ペッグ制によって為替相場が固定されているため、輸出競争力が徐々に失われて、経済が失速する危険性を孕んでいる。 カレンシーボード制の場合、仮に経常収支が赤字になっても、準備通貨減少→通貨発行量減少→金利上昇→デフレという流れで、経常収支が黒字になる自動調節プロセスが働くが、これはそもそもカレンシーボード制が自国の自由な金融政策と引き替えに為替相場の安定を図っているからである。 このように、「固定相場制度」「自由な金融政策」「自由な資本移動」の 3つの政策は同時に実現することができないのである。固定相場制度を維持するには、その国の外国為替が制限され外貨が(主に中央銀行によって)集中的に管理されている必要がある。しかし、その国の経済が発展し貿易が盛んに行われれば、国際間の経常取引に関する為替が自由化される必要が生じる。 さらに、その国の企業が海外へ進出するなど国外での活動が盛んになると、国際間の資本取引も自由化せざるを得なくなる。ここまでくると固定相場制度の維持は困難である。 このように、ある国の経済が封鎖的な国内市場のみの取引から、国境を越えた(無国籍・多国籍化した)国際市場に参加するようになり、国際間の資本移動が活発化すると、その国は必然的に固定相場制度から離れて行かざるを得ないのである。 つまり、固定相場制度を採用している国々は、まだ経済が十分に成長しておらず、自国の経済成長を図っている段階にある国々である、と言えるだろう。 |
参考文献 | ||
『国際金融から世界金融へ』(通信教育部教材) | 宅和公志 | エルコ |
広告 国際金融から世界金融へ―金融市場の無国籍性 |
講評
ペック制のメリット・デメリットを含めよく調べていて論述されており、解釈も妥当だが、全体的にやや整理不足。テキスト以外に使用した参考文献についても明記されたい。 |
課題 国際銀行業には、BIS規制のような自己資本比率基準がなぜ必要だと考えられるか。
BIS規制とは、国際業務を行う銀行の自己資本比率に関する国際統一基準のことで、バーゼル合意とも呼ばれる。この規制は国際銀行システムの健全性と安全性を強化することと、国際業務に携わる銀行間の競争上の不平等の要因を軽減することを目的として定められた。ではなぜこのような自己資本比率基準が必要なのだろうか。
1980年代以降、先進国における規制緩和や資本取引などの自由化が進むにつれて、二国間取引に代表される伝統的な国際金融市場は、オフショア市場やユーロ市場へと変化・拡大していった。しかしその一方で、発展途上国における累積債務の深刻化や金融の証券化、デリバティブ取引など複雑化する金融システムのリスク管理が問題となってきた。そして実際にイタリアで1982年にBanco Ambrosianoの不正送金事件による閉鎖や、米国で1984年にコンチネンタル・イリノイ銀行の破産、1991年にBCCI事件などが起こり大きな問題となった。 コンチネンタル・イリノイ銀行のケースでは、 FRBは60億ドルもの資金支援を求められた。連邦預金保険公社と民間銀行が資金面での支援を行ったが、コンチネンタル・イリノイ銀行は破産してしまった。このケースではあまりに巨額な資金支援に「最後の貸し手」(LLR)が対応できるのかという点と、どのような財務内容であっても銀行は救済されるのかというモラルハザードという点で問題を投げかけた。BCCI事件のケースでは、業務指令がロンドン、営業拠点は世界62カ国、登録はルクセンブルグとケイマン諸島と、事実上「無国籍」であってどこが「本国」か定かでなかった。 このように国境を越えた金融サービス活動は「無国籍性」を有しており、当然「本国」の金融当局によるコントロールは限定的であり、LLRも存在しないことになる。つまり国内外を問わず、金融機関自らの吸収合併による再編成しかありえないが、財務内容によっては救済しようという金融機関が現われない可能性もある。しかもそもそもオフショア市場やユーロ市場は大規模資金の「卸売り市場」であって、そこに参加する金融機関は小さな国家をしのぐ程の資金動員力を持っている。 つまり大手金融機関が破綻した場合の影響はその国の金融市場に大きな影響を与えるだけでなく、世界規模で波及することが懸念されるようになった。しかもその影響はもはや一国の中央銀行の LLR単独で救済できる規模を越えてしまったのである。また 1980年台後半、いわゆる邦銀による貸し出しシェアがロンドンで25%を超えるなど、海外の金融機関に比べて低金利で融資することが出来た邦銀の薄利多売型融資は軒並み主要金融市場でのシェアを上げた。また邦銀による海外金融機関の買収も盛んになるなど、ユーロ市場での存在感が増した。しかし、政府の規制金利のもとで調達した低金利預金を海外に融資していた当時の邦銀は自己資本比率が低く、競争上不平等であるという(薄利多売に対する)批判が起こった。また、先に例としてあげた各国で相次いで経営破綻した金融機関の自己資本比率が低かったこともあり、邦銀の安全性が疑問視されるようになった。 そこで、国際銀行業務を行う金融機関の健全性・安全性を強化するとともに、国際業務に携わる銀行間の競争上の不平等の要因を軽減するため、自己資本比率を一定水準以上にすることが考えられたのである。 しかしオフショア市場やユーロ市場はそもそも、自由でかつ規制のすくない(ない)銀行間の市場であって、当然そこには金融政策を行う中央銀行は存在しない。だが代わってある一国が金融規制や金融政策を行ったとしても、それはほとんど効力を持ち得ない。それはなぜなのだろうか。 仮に金融規制の比較的強い A国が存在したとしよう。だがA国にある国際銀行B銀行は、当然A国より規制が緩いC国に設立した現地法人や支店を通じてオフショア業務を行うだろう。(これこそ国際銀行たるゆえんでもある。)結局、C国にある金融機関のより一層のオフショア業務の拡大という結果となり、ユーロ市場全体の取引規模が縮小するわけではないだろう。つまり各国単位で規制を行ったにしても、それが各国で同一歩調を取ったものでなければ、その実効性は期待できないのである。そこで、先進各国の金融当局は好むと好まざるとに関わらず、集団として統一した規制を行う必要がでてきたのである。しかし、本来ならば、国際銀行間で機能するルールは、メンバーたる銀行自身で自主的に取り決め、メンバーである銀行の慎重で賢明な行動がそれを保証すべきである。 |
広告 国際金融から世界金融へ―金融市場の無国籍性 |
講評
課題の要求は理解されているようだが、個別的・具体的事例の説明が多く、明確さにやや欠けるリポートとなっている。 |
スクーリングを受講し「スクーリング試験」で所定単位を修得したので、「科目修得試験」は受験していません。(^^;) |
講義テーマ | 国際金融論 | 担当者 | 山倉 和紀 | (敬称略) | |
講堂 | 法学部 2号館 | 受講者数 約45名 | 夏期 中期 午前 |
スクーリングのノート (pdf ファイルです。) | |||||||
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