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 日本大学通信教育部・経済学部・経済学科
自然地理学概論    

 

科目コード:0977

教職課程教科
専門教育科目

更新日 : 2007/09/16

 提出したリポート、頂いた講評、科目修得試験に出題されそうなポイントなどを掲載してあります。

 


 おことわり
☆ 特に断りがない報告課題は、「平成17・18年度報告課題」(有効期限2005年3月1日〜2007年3月31日)です。
☆ 「科目修得試験に出題されそうなポイント」は、あくまで森野個人が学習する際に分析したものです。
☆ 内容についてのお尋ねはご遠慮下さい。
  1. リポート分冊1
  2. リポート分冊2
  3. 科目修得試験に出題されそうなポイント
  4.  
 
リポート分冊1

課題 A1 火山活動とこれにともなって形成される地形について述べなさい。

 とけた岩石が火口縁から流出したものを溶岩流とよぶ。溶岩流は地形、粘性、体積などの違いから様々な形態をとる。

 玄武岩質で粘性の低い高温の溶岩は、緩やかな斜面でも広く遠方まで広がり、薄い溶岩流を形成する。利尻・富士・伊豆大島・阿蘇後カルデラ火山などいくつかの成層火山に見られる。

 日本の第四紀火山から流出する溶岩流の大部分は安山岩質で粘性が高く、舌状の形態をとる。溶岩流の表面には溶岩流の進行方向に対して直交する方向にのびる土手状の高まりである溶岩じわ、溶岩流の両側進行方向に平行した堤防状の高まりである溶岩堤防、固化しかけた溶岩表面が内部の溶岩流に引っ張られてできた溶岩割目、粘土の高い溶岩が急斜面に厚く堆積し表面が固化した後、地滑り状に下方へ移動したとき生じる溶岩滑落崖などの微地形がみられる。大雪火山の御蔵沢溶岩流、浅間火山の鬼押出溶岩流などがよく知られている。他に急崖を流下しその基部に扇状に堆積した溶岩扇状地、海や湖に流入して楓の葉状になった溶岩三角州などがある。桜島火山の溶岩流が代表的である。

 高粘性溶岩が火口上に盛り上がって形成された半球状の小火山体を溶岩円頂丘とよぶ。これは溶岩の性質、流出口周辺の地形、流出速度などでかなり異なった形態をとる。

 ほぼ固化して横にほとんどひろがらない火山岩尖、わずかに横にひろがる狭義の溶岩円頂丘、表殻が破れて溶岩流が流れ出した溶岩円頂丘、横にひろがって頂部に広い平坦部が生じた溶岩平頂丘、溶岩自体は地表に顔を出さず地表面だけ持ち上げた潜在円頂丘、の5つに分類できる。箱根火山の二子山溶岩円頂丘や八ヶ岳火山の横岳溶岩円頂丘などが有名である。

 高温の火砕物質が一団となって斜面を高速で流下する現象を総称して火砕流とよぶ。火砕流は、その規模、構成粒子の性質、運動様式などが広範囲に変化するが、いずれも高温の粉体の流れである。堆積物の上表面はほぼ平坦である。大規模な火砕流堆積物の場合は厚さが100m以上に達することも稀ではない。中小規模の火砕流の場合堆積地形は、火砕流条溝、火砕流堤防、小分岐流、火砕流塚など起伏を持って特徴的な表面形態を示す。支笏火山の火砕流台地や渡島駒ヶ岳火山の軽石流堆積面、浅間火山の吾妻・鎌原・追分火砕流がつくった地形などが有名である。

 比較的小規模な爆発的噴火で、上空数百mの高さまで打ち上げられた噴出物が火口周辺に堆積して生じた円錐形の小火山体を火砕丘とよぶ。底径1km以下比高200〜300m程度の小さなものが多い。火砕物質の種類により、スコリア丘・軽石丘・火山灰丘に細分される。また、火山灰丘のうち堆積物が少なくわずかに低い環状丘が火口をとりまいているものをタフリングとよぶ。富士、阿武、阿蘇の3火山には多くのスコリア丘がある。東伊豆火山の大室山や阿蘇火山の米塚スコリア丘などが有名である。軽石丘は、阿蘇カルデラ内の草千里が有名である。草津白根火山の湯釜、水釜、涸釜とよばれる火口群をもつ火砕丘が火山灰丘として有名である。タフリングの代表例は、利尻火山沼浦や伊豆大島火山南部の波浮港などがあげられる。

 

課題 B2 気温の年較差と日較差について述べなさい。

 月平均気温の最も高い月を最暖月、低い月を最寒月という。最暖月の月平均気温と最寒月の月平均気温との差を気温の年較差という。気温の年較差はその場所の気温の季節変化の大きさを示す目安である。

 まず気温は日射量に左右される。緯度が増加すれば日射量の変化も大きくなるので、一般に年較差も大きくなる。しかし単純に、年較差は経度の関数とはいえない。なぜなら、陸地と海洋には比熱の差があるので、同一日射量の場合、陸地の方が海洋より暖まりやすく冷めやすい。つまり陸地の年較差が大きい。また北緯40°付近では大陸の西岸より東岸の年較差が大きい。これは、大気の大循環と海流の影響である。つまり同一緯度でも気温の年較差はそれぞれ異なるのである。

 気温の日較差とは、日最高気温と日最低気温の差をいう。気温の日変化の源も日射量の日変化である。しかし日射量以外にも、地表の状態、大気中の雲や水蒸気量、風速などによっても気温は左右される。

 例えば雲量が多い曇天や雨天の日には日射量が少ないので最高気温は低くおさえられる。さらに雲によって夜間の地表からの放射が逆放射され、最低気温が低くならない。つまり日較差は小さくなる。大気中の水蒸気は太陽光はよく通すが熱線は吸収してしまうので、水蒸気量が多くなれば気温も上昇する。

 また地表面が雪や氷などで覆われていた場合、仮に日射量が多くても日射によるエネルギーを多く反射してしまうので気温上昇が少なくなってしまう。このように同一場所でも一般に天気によって日較差が異なってくる。

 

参考文献
『空中写真に見る日本の火山地形』 日本火山学会 編 東京大学出版会
『日本の火山地形』 守屋以智雄 東京大学出版会
『気候と人間』 高橋浩一郎 日本放送協会出版
『やさしい気候学』 仁科淳司 古今書院
『気候学』 吉野正敏 大明堂

リポート分冊2

課題 C2 土壌生成因子のうち、生物の果たす役割について述べなさい。

 土壌生成因子としての生物は高等植物・地中動物・微生物の3グループに大別される。

 高等植物は主としてその遺体が土壌有機物の材料になること、土壌から養分を吸収し、遺体とともにそれを土壌に還元するという、土壌との物質交換(生物学的循環)を通じて土層中での養分元素の表土への集積に寄与していること、極相植生は気候帯と密接な関係をもって、土壌とともに生態系を構成し、物質とエネルギーの循環を通じて成帯性土壌の生成・分布を左右していること、さらにある種の植生は、土壌の乾湿や特定の化学成分の指標となること、等々の機能を通じて土壌生成と深く関わっている。

 土壌動物は、土壌に供給された植物遺体の摂取による細粉化、その排泄による団粒構造の形成、土壌中における孔隙の形成や土層の攪拌等を通じて土壌生成と深く関わっている。 植物遺体の摂取による細粉化とは、土壌生物が地表に堆積する落ち葉・落枝などを食べ、これらを粉砕することをいう。土壌生物はこのとき一緒に土をたべ、消化管内で有機無機複合体を形成し、糞として排泄される。これは屑粒状構造の単位となる団粒にほかならない。またミミズ、アリなどが地下に通路を作り孔隙を形成するとともに、腐植層と下層土を攪拌する。

 土壌微生物は土壌動物により細粉化された植物遺体や動物の遺体を分解し、無機化して、生態系の構成員としての分解者(浄化者)として機能している。土壌動物の餌となって細粉化された植物遺体は土壌微生物によって生化学的に分解される。酸素が十分にある好気性土壌では、植物遺体は完全に分解され、炭酸ガス、アンモニア、水となる。しかし酸素が不十分な嫌気性土壌では難分解性植物成分と、微生物体を構成する蛋白質とが生化学的重縮合反応を繰り返し、腐植と総称される複雑な高分子有機化合物群を形成する。このように、土壌微生物は分解残滓の合成による腐植形成にも深く関わっている。また、土壌中に存在する窒素固定菌やマメ科植物の根粒菌による空中窒素の固定をはじめ、土壌中でのアンモニア化成・硝酸化成・硫酸化成・硫酸還元・醗酵・鉄の酸化等々の多彩な生化学反応に寄与している。

 

課題 D2 熱帯多雨林・熱帯モンスーン林について述べなさい。

 東南アジアは気候的には熱帯気候およびモンスーン気候の影響下にある。熱帯モンスーン気候には雨季と乾季があって、乾季が長くなるにつれて乾燥のため落葉する樹木が増えてくる。タイでは年降水量が山地で4000mmに達するところもあるが、平地では1000〜2500mm程度の地域が多く、しかも季節的に片寄っている。一般的には南部ほど降水量が多く、季節的変化も少なく、北部に行くにつれて変化が大きくなり、乾燥する地域が出現する。

 この降水量の分布に応じて、熱帯常緑樹林(熱帯多雨林)、乾性常緑樹林(常緑モンスーン林)、落葉樹混交林(半常緑モンスーン林)、落葉フタバガキ林(落葉モンスーン林)の4つに区分される。それぞれの樹林帯が成立する条件は、月別降水量が月別蒸発量より多い月を湿潤月とすると、湿潤月が8カ月以上のところに熱帯常緑樹林が、6〜8カ月のところに乾性常緑樹林が、4〜8カ月のところに落葉樹混交林がみられ、落葉フタバガキ林は4カ月以下で最も乾燥する地域に成立している。つまりマレーシアから北上し、タイ北部に至るにつれて常緑季節林から落葉季節林へと移り変わっていくのである。

 熱帯常緑樹林:タイの半島南部に分布し、年降水量は2500mmをこえるが、2カ月程度の乾季がある。そのため樹高は本格的な熱帯多雨林に比べるとやや低く、30〜50mほどであるが、フタバガキ科の種が多く、樹冠が複雑で、ヤシ類、トウ(簾)類、蔓性植物、着生植物などが多く、熱帯多雨林と類似の森林ということができる。

 乾性常緑樹林:明らかに乾季のある地域にみられ、樹高はやや低くなり、林冠の構造もやや単純になる。分布地域は低山帯で、地形的には水に恵まれたところに発達する。河川に沿って生育する場合もあり、これは河辺林とも呼ばれる。

 落葉樹混交林:乾性常緑樹林に接してあらわれ、バンコク周辺の平地に分布する。年降水量は1500m以下となり、乾季に落葉する樹種が混じってくる。とくに高木層を構成する樹種に落葉樹が多く、桐のような大きな葉をもち、家具などに利用されるチークはその中の1つである。亜高木層には常緑広葉樹が多く、落葉樹が混じるほかは乾性常緑樹林と明らかな違いはない。

 落葉フタバガキ林:年降水量が1200m以下の地域に成立し、乾季が長いので立木密度が低く、林床は草本で占められ、やや疎らでほぼ高さのそろった高木層の樹高は20mをこえず、比較的単純な構造をもった森林である。この森林の成立には気候的に乾燥するだけでなく、人為的な影響も大きい。

 

参考文献
『土壌地理学序説』 松井 健 筑地書館
『植生地理学』 林 一六 大明堂

科目修得試験に出題されそうなポイント

 


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